








本研究では、仕上げ材そのものを型枠として利用する「Stay-in-Place Formwork(残置型枠)」の考え方を応用し、環境負荷の低い新しい曲面ファサード工法を提案した。木質パネルを石積み(Masonry)のように組み上げることで、従来は専用型枠を必要としていた複雑な二重曲面を、平面パネルの組み合わせのみで構築することを可能とした。さらに、背面には土とマグネシアセメントを用いた繊維補強複合材料を積層することで、軽量かつ高い構造性能を有する薄肉シェルを形成している。 提案工法の有効性を検証するため、幅5.0m、高さ2.5mの実大モックアップを製作した。モックアップは、53ユニット・159枚のCNC加工木質パネルと252個の3Dプリント乾式ジョイントによって構成され、石積みのような組積造の考え方を用いて複雑な二重曲面を実現している。施工では、背面から土系複合材料をハンドレイアップ法により積層し、ガラス繊維メッシュを組み合わせることで、厚さ約5mmの薄肉シェルを形成した。 完成後には、木質パネルを取り外した状態でもシェルが自立することを確認するとともに、約60kgの載荷試験においても大きな変形やひび割れが生じないことを実証した。また、乾式ジョイントを採用することで、型枠パネルを損傷なく解体・再利用できることを確認した。本モックアップを通じて、施工性、構造性能、資源循環性を兼ね備えた新しい曲面ファサードシステムとしての有効性を示した。
project
Earth Shell Pavilion
term
Mar. 2026 - Apr. 2026
type
Pavilion
credit
Hiroki Awaji